自然の恵みと熟練の技術が紡ぎだす「八色しいたけ」
南魚沼市が誇るブランドを次世代へ繋ぐ

八色しいたけ事業協同組合
お米にも負けない南魚沼の名産品は 食卓の主役を飾る、しいたけ界の革命児
「厚いにもほどがある」その印象的なキャッチフレーズが示すとおり、肉厚で大きくしっかりした歯ごたえが特徴の八色(やいろ)しいたけ。見た目の大きさ、食べた時の満足感から贈り物としても喜ばれ、最近ではテレビでも取り上げられるなど全国にその名が知れ渡っています。
「お米だけではない、全国に誇れるブランドがここにもあるということを皆に知ってほしいですね」そう話してくださったのは、八色しいたけ事業協同組合代表理事である上村さん。
現在、15軒の生産農家さんが八色しいたけの栽培・収穫を行っています。組合では、販売元であるJAみなみ魚沼さんと連携を図り、菌床の製造、培養としいたけの選別、包装、出荷を集約して行うことで、農家さんがしいたけの生育に集中できる環境を作っています。
20代から60代まで幅広い年代の方が生き生きと働き、組合職員、生産者の方を合わせると約200人の方が八色しいたけ栽培に携わっているそうです。
八色しいたけが多くの人に知られ、地域の雇用創出に大きく寄与することになった背景には、先人たちの想いと長年の努力の歴史がありました。
冬の出稼ぎをなくし、農家の方の生活を守りたい。 熱い想いから生まれた「八色しいたけ」
魚沼地域は、豪雪地帯ゆえに冬の間仕事がなく出稼ぎに頼っていた農家の方が、通年で働ける環境を作りたいとの想いで、冬に収穫ができるしいたけの原木栽培に取り組んだことが始まりでした。
樹木に菌を植え付けて山林などの自然の中で栽培する昔ながらの原木栽培は、原木の入手が難しくなったことや作業が重労働であることから、平成7年に菌床栽培に切り替えられました。菌床とは、原料となる木材チップに米ぬかやフスマなどの栄養を混ぜ込んでブロック状に成形し種菌を植えたものを菌床という。その後、今のような大きくて厚みのあるしいたけを作り出せるようになる転換期となったのは、上面栽培との出逢いだったといいます。

「これまでは菌床の全面からきのこを発生させる全面栽培を行っていましたが、側面・底面は袋で覆い上面のみから発生させることで芽数を抑え、その分栄養が凝縮された大きなしいたけを栽培することが可能になりました。これが「厚いにもほどがある」というキャッチフレーズの由来にもなっています。」

試行錯誤を繰り返して辿りついた理想の栽培方法で、現在では年間1400トンものしいたけを栽培するまでに。新潟県内をはじめ、関東・中京地方の市場やスーパーマーケットに安定して商品を供給しています。

八色しいたけのもう一つの特色は、地域循環型農業であること。
「しいたけ栽培の際に課題となるのは使い終わった菌床なんですが、八色しいたけでは有機センターに集約して堆肥化することで、田畑の肥料として再利用することが出来ます。また、菌床の材料にも魚沼産コシヒカリを精米する際に出る米ぬかを使用しています」

地域農業の資源を有効活用し、環境にも配慮して手掛けられている八色しいたけ。
良い商品を作るために弛まぬ努力が続けられているのです。
八色しいたけの未来を担う若い世代に 職人の技術を継承し繋いでいきたい
子供からお年寄りまで、地域に愛されるしいたけ作りに取り組む八色しいたけ事業協同組合。そのための活動も積極的に行っています。

「毎年、地元のお祭りやマラソン大会などに出店して、八色しいたけを地域の方に味わっていただいています。また、小学校の社会科見学や中学校の職場体験先の一つにもなっているんですよ。普段農業に関わる機会の少ない都内の小学生が見学や体験に来ることもあります。農業に興味を持つきっかけになってくれれば嬉しいですね」
子供たちが実際に足を運んで目にしたり体験したことは、貴重な財産になることでしょう。一人でも多くの人に八色しいたけの魅力を知っていただくことが、ブランド力の底上げになり、将来的な雇用創出まで繋がっていくのだと思います。

しいたけ農家の更なる発展を目指し生まれた八色しいたけ事業協同組合。次の目標は一体何なのでしょうか。
「しいたけ作りは、成長していく過程を日々観察して収穫するタイミングを見極めたり、菌床づくりやパック作業一つひとつをとっても熟練の技術が必要となります。
ここで働いている方は仕事にプライドとこだわりを持った職人です。これからは、これまで八色しいたけを支えてくれてきた方々の技術や想いを若い世代の方へ繋いでいきたいと考えています。また生産農家の方からも、しいたけを増産していきたいという声をいただいていますので、今後更に菌床を増やし生産量を拡大していきたいですね。そのためには一緒に働いてくださる仲間が必要です」

決められた仕事を遂行するだけの毎日ではなく、一つの道を究める職人を目指したい方。
地域のために尽力したい方。決して楽な仕事ではありませんが、大きなやりがいが待っています。八色しいたけ事業協同組合で新たなチャレンジをしてみませんか。

2020/6/15 取材
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