カップサラダで惣菜市場に新風を
~50年の歴史を持つ老舗食品メーカーの挑戦~
サトウ産業株式会社
カップサラダ人気を追い風に関東、北陸にも市場拡大
新鮮な野菜、きれいな水――。サトウ産業は、魚沼の豊かな自然環境の中で惣菜やサラダなどの製造を行い、関東や北陸にまで進出している新潟県内屈指の食品製造会社です。

テイクアウトや中食(なかしょく)人気で市場の拡大が続いている、カット野菜市場。
総務省の調査によると、最近10年で家庭でのカット野菜の消費は約40%も伸びており、健康志向や簡便志向から、家でサラダを食べるというニーズはますます拡大しています。

そんな市場のニーズに対応し、スーパー、コンビニエンスストア向けの「カップサラダ」で業績を伸ばし続けているサトウ産業。代表取締役の佐藤昭二さんに、この事業にかける想いや将来の展望までお聞きしました。
まずは、佐藤社長にこれまでの経歴からお聞きしました。

「大学卒業後は大学院まで進み、その後大手外食チェーンのサイゼリヤに入社しました。サイゼリヤに入社したのは、将来家業を継ぐための準備期間に、バーティカルマーチャンダイジングと呼ばれる商品戦略を学びたかったからです。お客様が求めるメニューを開発するために、素材の調達や加工も全て、自社で行っていたのです。サイゼリヤは徹底した現場主義だったので、大学院を出ていても店舗配属。東京の六本木で働かせてもらい、いい思い出にもなりました」

約2年半の会社員生活を経て、サトウ産業の後継者として入社して以来15年。営業部長、専務時代に関東進出やカップサラダの商品開発など数々の実績を挙げ、2019年11月に社長に就任しました。

今でこそカップサラダを主力商品とするサトウ産業ですが、その歴史は長く、戦後から平成、令和の時代をたどるように事業を変化させてきました。昭和39年の創業時は製粉業。その後、家庭向けの袋麺に主力を移します。大手メーカーが低価格戦に出たと見るや、具を盛り付けて冷やし中華として売り出すなど付加価値路線に転換。スーパーのお惣菜やカット野菜、カップサラダと新しい商品を投入してきました。

佐藤社長は「時代の変化とともに、ひたすら消費者のニーズに合わせた品物を作ってきました。そうでないと、うちの会社は生き残っていなかったと思います」と分析しています。
50年間、お客様のニーズに応える創業精神で常に新しく
創業から50年の歴史を誇るサトウ産業ですが、その事業を牽引してきたのは歴代社長が最前線に立つ新規開拓営業の成果だと言います。

「市場が変化するたびに、先代たちが何くそという思いで営業して、状況を変えてくれた。行動がなければ会社は変わっていかない。やっぱりその責任は重いですね。」

さらに、商機が見えたら商品開発に注力してヒット商品に育てることにも、佐藤社長はこだわっています。

「売上をしっかり作っていくには商品開発に力を入れなければなりません。社員の皆さんには商品開発に本当に力を入れてもらっていて、商品の中でチャレンジしていくという社風を重視させていただいています。私が入社したころは年商が10億円くらいで、今は35億円くらいまで拡大していますが、この商品開発力が確実に今の成長につながっていると思います。」

中期的な経営戦略としては、カップサラダのリーディングカンパニーになることを掲げているサトウ産業ですが、お客様ニーズに応えて主力商品が変わっていくことも十分あり得ると佐藤社長は予測しています。生野菜と加熱の両方の技術を持っているというサトウ産業の強みすら、変革しても良いと考えています。麺から惣菜、サラダへと商品が移り変わった柔軟性。それこそが創業の精神を受け継ぐことだというのです。

「今は麺は作っていないんですけれど、本社玄関前の花壇に、麺を作っていた時代の石臼を置いてあるんです。創業の気持ちを忘れないように。」

現在の本社の裏手に当時の工場があり、子供の頃はまだ麺が作られていたと佐藤社長は振り返ります。

「現在の本社工場は、まだできて8年くらいです。関東方面の営業に力を入れたのが前橋工場ができるきっかけになりました。本社工場は北信越、前橋工場は関東圏に商品供給をしています。この体制になって、新潟県全域はもちろん、福島県や、西の方に行くと静岡、神奈川、福井あたりまで結構な広範囲をカバーできるようになりました。」

取引先は卸売業者が多いと言いますが、新潟県内、近県のスーパーマーケットとは直接取引もあり、店頭で商品を見かけることも。単身赴任や一人暮らしのお客様にサトウ産業のカップサラダが特に人気だそうです。「体のこと考えると野菜食べなきゃ」というメッセージがお客様に伝わっていることが、社員のやりがいにもつながっています。

「最終ユーザーであるスーパーマーケット様やコンビニエンスストア様と全て直接取引することはできません。現在お取引させていただいている、いわゆる問屋さんは30社ぐらい。その取引先には多いところで50社くらいあるので、商品を置いてくれている店舗数で言うと1000店舗くらいあるのではないでしょうか。」
豊かな自然と働きやすさ。魚沼にIターンする人も
魚沼市にあるサトウ産業本社工場の目の前を流れている川は、実は湧き水。「この辺りだと水で困るなんていうことはありません。水のきれいさ、豊富さに加え、水の温度や質も一定で、食品を作る立地としては最高に幸せです」と佐藤社長。

新潟県内では就労人口も多く便利な立地ですが、土地柄、人柄にも恵まれていると言います。「優しい人が多く、我慢強いところもある」そうで、地元で生まれ育った人だけでなくUターン、Iターンの人気も高まっているそうです。

社員は本社、前橋両工場を合わせて400名の規模。男女比では女性が7割以上で勤続年数も長く、女性が活躍できる職場であることも魅力です。

「新人教育については必ずトレーナーがつきます。当然未経験であっても大丈夫ですし、入社しやすい環境づくりをしています。調理にはプロフェッショナルの技が必要なのかと心配されることもありますが、作業はマニュアル化されていますので、初心者の方でも料理が好きだという思いがあれば誰でも受け入れられると自負しています。
『食をお客様に提供して健康になっていただく、便利な世の中にする』という我々のミッションに共感していただける方に幅広く集まっていただければと思います。」
絶え間ない商品開発を担うチームの一員になってほしい
佐藤社長に、求める人物像についてお聞きしたところ、真っ先に返ってきたのが「コミュニケーション能力」でした。

「食品製造業のイメージって、黙々とコツコツ作業することが多いと思われるかもしれませんが、実際はかなり協力して仕事をしなければならないんです。そこで『まずコミュニケーションをしっかりとっていこうよ』と常々お話しさせていただいています。今の人はコミュニケーションが苦手という人が多いのですが、入社して変わることも多いですね。やらされるのではなく、積極的に発信できる人になってほしいと伝えています。」

社長と従業員が話す機会も多く、オンライン会議を積極的に取り入れているのもサトウ産業の特徴です。本社工場と前橋工場との会議も、Webでつなぎながら情報交換を行うことで、工場長の出張も削減でき、より多くの社員が会議に参加できるようになりました。

配属については、営業、生産管理、企画開発とさまざまな部署があり、面接で一人一人の希望を丁寧に聞いた上で決定しているとのこと。職種にまだイメージのわかない人は、適度に配置転換をしながら、適性を見極めて育成しているそうです。

「現在、お惣菜やカップサラダといったアイテム数は400以上にのぼります。ほぼ毎週アイテム数が変わっていますよ。新商品が出ない週はないと同業他社の人にお話しすると、たいてい驚かれます。商品開発力は業界トップクラスと言えます。
客先に営業する人、試作品を作る商品開発部隊、作ってくれと言われて依頼に対応する人。それぞれの部署が一丸となって提案と改善を行う。僕はもうそれをずっとやり続けたいですね。」

今は「カップサラダといえばサトウ産業」と言われる会社に。そして、10年、15年先の商品は次世代の皆さんに開発してほしい。そんなサトウ産業の応募条件は、「食べることが好き、楽しんで働きたい」という人。前向きなパワーで強い組織を作っていきたいというアピールが印象的でした。

働く人の声

サトウ産業株式会社
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